戦国時代と司馬遼太郎さん好きな久野裕紀氏

 

いわき四季の会 会報「人と仕事と士気と」 
 

律儀でなければ
続けられない

 

久野行政書士事務所
  
久野裕紀

●行政書士を目指す

 30代になるまで、電話の交換機等の電子回路を設計する会社に勤めていた。今後の業界の先行きを考えると、資格を取り起業する道がないだろうかと考えた。様々な資格の内容や将来性、自分の適性を考える中で見出したのが、行政書士の資格だった。行政書士の資格は、他の資格と異なり、多様な分野に対応できる点が強みになると感じた。
 会社を辞めた後は、司法書士事務所で働いた。しかし、行政書士の資格試験に合格するために、事務所を辞めて試験勉強に専念したことで合格することができた。2012年5月に行政書士事務所を独立開業した。
 

●出会いとつながりが大切

 行政書士の業務は多岐にわたる。そのため、開業後の仕事はほぼ初めて取り組む分野の内容も多く毎回がチャレンジだった。司法書士や税理士の方と出会ったことで、仕事を紹介してもらえるようになった。例えば、相続の際に、税務は税理士、登記は司法書士、遺産分割協議書・遺言書・農地転用などの手続きは行政書士と、分野ごとに士業が必要なためである。お客さんの要望に対応できる仲間がいれば、ウインウインの関係を築きやすかった。様々な業務を通して、仕事ができる人間関係の大切さを実感した。そのため、近年は人の紹介による仕事が多い。
 

●企業から個人まで対応

 この仕事は、様々な人に出会える面白みがある。会社関係では、建設業許可申請の書類作成や補助金申請書類の作成などが多い。経営者からの依頼が多いため、経営者の波瀾万丈人生物語を伺えることが勉強になる。
 一方、個人客は、遺産相続や遺言書作成に関する相談が多い。遺産遺言関係からは、様々な人間模様を伺うことができる。経験的に言えることは、遺言書を作成するのであれば、いつどうなるかはわからないので、早めに手続きを行うことが理想である。業界的には、遺言書を作成すると長生きするという噂もある。遺産相続に関するストレスが軽減されるからかもしれない。
 

●律儀に努める

 歴史本が好きである。一番好きなのは、司馬遼太郎著「 新史太閤記」。その中で、子ども時代の秀吉が語る一節、「おれはこの世で何物も持ち合わせておらぬ。金も門地も―せめて律儀でなければ人は相手にすまい。」が好きだ。
 仕事で「律儀」を大切にしている。書類の内容は理解しにくいことも多いので分かりやすく伝えること。何度でも理解してもらえるまで、とことん伝えることを大事に取り組んでいる。
 

●時代を読む

 時代が変わると必要な書類や手続きも変わる。今までは建設業許可申請などが多かったが、これからは、外国人労働者が増える可能性が高く、外国人の登録申請取次等の業務が増えてくると感じている。そのために新たな資格も取る予定である。時代のニーズに合わせて必要な資格や技術を身に着け続けていきたいと考えている。

【久野行政書士事務所】
いわき市金山町東台153-4
電話090‐2976‐6527
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